Vandyke Brown


Vandyke Brown(ヴァンダイク・ブラウン)プリントは、オルタナティブプリントの技法の中では比較的初心者向きらしい。

乳剤の主薬品はクエン酸第二鉄アンモニウムと硝酸銀・酒石酸。現像液はクエン酸水溶液であるから、プラチナ・パラジウムプリントに比べると随分リーズナブルだ。とは言っても、用紙の前浴や乳剤の塗布・焼付けのプロセスは他の鉄塩プリントとあまり変わらない。水洗は少し短いかもしれないが。

Vandyke Brownの醍醐味は調色にあると思う。金調色・プラチナ調色・両者を組み合わせるマルチ調色など、色調のバリエーションが楽しめる。もちろん調色は褪色しやすい硝酸銀の画像保護にも役立ってくれる。

温かみがあり、こっくりした色合いのVandyke Brownプリントを2013年からぼつぼつ制作している。



© Tamaki Obuchi 2013